ゴビの壁の謎を解き明かす:多機能な国境システム
2025-05-28

新たな研究が、モンゴルにある全長321キロメートルに及ぶゴビの壁の謎を解き明かしました。これまでの想定とは異なり、この壁は単なる防御施設ではなく、西夏王朝(1038~1227年)時代に建設され、国境の画定、資源管理、帝国支配の強化など、多様な機能を果たしていたことが明らかになりました。国際研究チームは、リモートセンシング、調査、発掘調査を組み合わせることで、その建設と戦略的重要性に関する証拠を発見しました。壁の経路は資源の利用可能性を考慮して慎重に選択されていたことも判明しています。この研究は、内アジアの帝国国境システムに関する従来の認識に疑問を投げかけ、中世帝国における環境への適応と国家権力との相互作用についての理解を深めるものです。
(phys.org)