マイクロノズル加速器:GeVプロトン加速の物理機構解明
2025-06-01

本研究は、2次元粒子シミュレーションを用いて、マイクロノズル加速器(MNA)と呼ばれる新しいプロトン加速機構を明らかにしています。MNAは、マイクロノズルを用いてレーザーエネルギーを水素ロッドに集束させ、強い電場を生成することで、プロトンをGeVエネルギーまで加速します。研究の結果、MNAのプロトン加速過程は、予備加速、主駆動、アフターバーナーの3つの段階からなることが分かりました。アフターバーナー段階はMNAの重要な特徴であり、レーザー照射が停止した後もプロトンが加速を続けることを可能にします。これは、プラズマの自由膨張過程における、高温電子からのプロトンへの熱エネルギーの効率的な移動によるものです。本研究では、レーザー強度とパルス幅がプロトン加速に及ぼす影響についても検討し、MNAと従来ターゲットの性能比較を行っています。その結果、MNAはより高いエネルギー変換効率とより低い角度発散度を示すことが分かりました。