ポインタは複雑だII:LLVM最適化における微妙なバグ
2025-02-02
この記事では、コンパイラの中間表現(IR)の正確なセマンティクス、特に、安全でないポインタ操作を許可するC、C++、Rustなどの言語における重要性について掘り下げています。著者は、一見正しい3つのLLVMコンパイラ最適化手順が、最終的なプログラムの動作を最初のプログラムの動作と矛盾させる可能性があることを示しています。根本原因はポインタの「来歴」(provenance)です。これは、ポインタがメモリアドレス以上の情報を持ち、その計算方法の詳細が含まれていることを意味します。そのため、未定義動作(UB)の正確な定義を含む、より正確なLLVM IR仕様が必要です。コンパイラIRを厳格な仕様を持つスタンドアロンのプログラミング言語として扱うことが、このような問題を解決する鍵となります。
開発
ポインタセマンティクス