アントレプレナーシップ倫理の罠:自己啓発文化がアメリカを疲弊させた
2025-05-10

エリック・ベイカーの『Make Your Own Job』では、アメリカで広く浸透しているアントレプレナーシップ倫理が、どのようにして搾取的なシステムへと変貌したのかを解剖している。ポジティブ心理学の台頭とそのアントレプレナーシップ精神との絡まり合いをたどり、ベイカーは、この文化が個人の充実感を職業上の成功と結びつけ、過労と燃え尽き症候群につながることを明らかにする。ポジティブ心理学の理論とアントレプレナーシップ精神を批判的に分析することで、著者は、この文化が搾取的な労働慣行を隠蔽し、労働者を脆弱で無力な状態に置いていることを暴く。最終的に、これは燃え尽き症候群と社会機能不全の悪循環を生み出すことになる。