ハーバード大学経済学教授ロゲオフ:ドル覇権の衰退と中国経済の窮状
2025-06-12

ハーバード大学の経済学教授で、元IMF首席エコノミストのケン・ロゲオフは、新著『Our Dollar, Your Problem』で、今後10年以内に米国が債務主導のインフレ危機に直面すると予測していますが、それは日本型金融危機とは異なります。彼は、中国の現在の経済的窮状は、長年にわたる金融抑制と国家主導の投資への依存が原因であり、このモデルは問題を悪化させるだけだと主張しています。インタビューでは、ドル覇権の侵食、世界市場の再バランス、AIが赤字と金利に与える影響なども議論されています。ロゲオフは、中国がインフラ整備で目覚ましい成果を収めている一方で、経済成長は著しく鈍化しており、不動産とインフラ投資への過剰依存が多くの小規模都市に困難をもたらしていると指摘しています。彼は、米国は経済の活力と革新力によって、主導的地位を維持すると考えていますが、債務危機とインフレのリスクに直面していると述べています。