全ての時計は30秒遅れている?
著者は一見すると狂気の沙汰とも思える主張を展開します。全ての時計は30秒遅れている、と。これは、タイムゾーンや閏秒、相対性理論の話ではなく、日常的に使われる時計に関するものです。計算によって、ほとんどの時計が秒を無視して分しか表示しないため、平均誤差が30秒になることが示されています。もし時計が切り捨てではなく四捨五入を行うなら、平均誤差は0になる、と著者は主張します。さらに著者は、年、月、日、時間、分、秒といった様々な時間尺度において、人々がどのように時間を認識し表現するかを探求し、分単位では直感が四捨五入に傾いているのに対し、時計は切り捨てを行うため矛盾が生じていると指摘しています。そのため、全ての時計は30秒遅れていると結論付けています。